作り手養成塾って?第2話


~STORY~
地域キャラクターで置戸町PR親善大使のおけばんばくんは、おけとのまちをPRする『おけばんばくんTV』というYouTube番組を持っています(だったらいいな)。今回は、新しい塾生が入ったという情報を聞いて、まちの特産品であるオケクラフトの作り手を育てる制度『作り手養成塾』について伝えることにしました。


「おけばんばくんTVを見てくれているみんな、こんにちはんば!今回は、オケクラフトセンター森林工芸館で 『作り手養成塾』についてお伝えしていくよ。」


「こんにちは!どうしたの?」
「『作り手養成塾』の紹介動画を撮ろうと思って来たんだ!みどりちゃんは、どうしたの?」
「オケクラフトや作り方に興味があって、昨年見学した時に色々教えてもらったでしょ?その後、入塾しようと決めたんだ。今年の4月に入塾してから、作り手として独立することを目指し、2年間の研修を頑張っているよ。」
「新しい塾生って、みどりちゃんのことだったんだ!」
「うん、私と同期の2人だよ。せっかくだから『作り手養成塾』のこと、一緒に紹介するよ!」
「ありがとう!よろしくね!」

◆緑と清流のまち『おけと』

「まずは、このまちのことを紹介したいんだけど、来た時の印象を教えてくれる?」
「う〜ん、花や緑でいっぱいで自然が豊かだと感じたな。まちの総面積約527㎢のうち森林が約8割を占めているって聞いてびっくり。農業林業が盛んだし、お祭りや地域のイベントも沢山!7月上旬にある人間ばん馬大会では町外の方も沢山来て、楽しかったな。」
「おけとは四季がはっきりしているから、春夏秋冬の景色をより楽しむことができるんだよね。」

◆オケクラフトと森林工芸館


「ここが森林工芸館。3つの役割を兼ね備えた教育施設でもあるんだ。」

※おけとは昔から社会教育を大切にしていて、町内にいくつか教育施設があります。

「ここで、みんなにクイズだよ!オケクラフトの名前の由来はなんだろう?」

「正解は、置戸町と曲げ桶の「オケ」、手工芸品の「クラフト」の組み合わせだよ!」
「道産材を使って、作り手が町内の工房で生産した木工芸品を『オケクラフト』というよ。工業デザイナー故秋岡芳夫さんの提案によって1983年(昭和58年)に生まれたんだ。材料は、一般製材に不向きなエゾ松などのアテ材を使用し、使い道のなかったものを加工することで価値を見いだし、新しいモノを作り出したんだ。今では器をはじめ、カトラリーやステーショナリーなど様々な種類のモノが作られているよ。」

※アテ材…傾斜地などで樹心が一方に偏って成長したため、通常の木材とは異なる性質をもつ部分のある材のこと。

◆作り手になるために…「作り手養成塾」って?

「誕生の同年(1983年)に日本橋髙島屋で行われた展示会でデビューしたんだけど、生産が間に合わないほど人気で、翌年に作り手を養成するための研修制度が誕生したんだよ。」
「ショップのガラス越しにも、研修の様子が見られるようになっているよ。あの大きな機械は木工ろくろ。木材を吸いつけて回転させ、そこにバイト(刃物)などをを当てて削ることで形を作っていくんだよ。この機械を使って、多くのお椀やお皿を作っているんだ。」

※森林工芸館のショップでは、約5分でオケクラフトの作り方を知ることができるムービーを上映しています。是非覗いてみてね!

「せっかくだから、特別に工房の中も案内するね!」

◆いろんな機械を使って

◇万能木工機
自動かんな・手押かんな・昇降盤の3つの機能によって、寸法を正確に出し、材料を整える。主に家具の製作に使われる。
◇ベルトサンダー
回転しているベルトに材料をあてて削り、形をつくる。
カトラリーやステーショナリーの製作に使われる。
◇帯鋸(バンドソー)
帯状の刃で材料を切断する。
器などを製作する際に、よく木取りで使われる。

「こんにちは、いらっしゃい。」
「こちらが、私たちの講師で作り手の志鳥さん」
「よろしくお願いします!研修について聞いてもいいですか?」
「研修は、平日の8時40分から17時15分まで研修を行っています。大きく分けて、製作に関する基礎知識を身につける「座学」と、実際に製作をして技術を学ぶ「実習」の2つがあります。普段の研修だけでなく、専門の方を呼んでお話を聞いたり、実際に現場に行くこともあるので、いろんな刺激を受けられますよ。」

様々な知識や技術を、下記の3つの区分から学びます。
◇普段の研修…現役でベテランの作り手を講師に迎え、知識や技術を学ぶ。研修中は講師が傍で作業しているので、困ったことがあっても安心。
◇町外研修…置戸町以外で活躍されている職人の方のところに出向き、お話を聞きながら生産活動の環境や技術を学ぶ。
◇外部研修
町内外の木やデザインについて、関係者や関係機関の方を外部講師として招いたり、開催される研修会に参加して学ぶ。
「研修制度について分かったところで、塾生にもお話を聞いてみよう!」
「同期の前田めいさんを紹介するね!」
「こんにちは!よろしくね。」

◆塾生インタビュー

Qなんで養成塾に入ろうと思ったんですか?
モノづくりが好きで、高校大学と木工をやってきて、大手家具メーカーに就職しました。でも流れ作業だったので、一人で一つのものを作ることができなかったんです。自己完結できて、自分が作りたいものを作っていきたいと思っていました。オケクラフトを知ったきっかけは、高校生の時にどま工房で竹とんぼ作りをしたことです。応募する1年半前から、やりたい事をやれる場所を探していて、オケクラフトのことを思い出して調べた時に、この制度を知りました。半年ぐらい考えて「ダメでも良いからやってみよう」と思ったんです。20代だし、ダメだったらまた働けば良いなと思って。

Q入塾して感じたことや、魅力はなんですか?
最初、オケクラフト=食器というイメージしかなかったんですが、スプーンやフォトスタンドなど沢山種類があるんだなと思いました。また、触ったことのない機械(木工ロクロ)を経験できるのが刺激的でした。一番の魅力は、いい意味で自由なところです。学校みたいに決まった事をやるのではなく、その人の自主性に任される部分が多いので、自分のペースで進めていくことができます。
また、素人から作り手になって活躍している人が周りにいるので、悩みに共感してくれてとても心強いです。独立した時に自分の商品を売る場所(森林工芸館ショップ)があることも安心です。

主任講師から教わりながら、初めてロクロを使った実技研修の様子

Qおけとの印象はどうですか?
北海道に戻りたい思いがあり、何もない田舎に住んでみたいと思っていました。
スーパーやコンビニがあるので生活に必要な買い物はできるけれど、一人で生活するとなると少し困ることがあるので、車はあったほうがいいと思います。図書館や工芸館などの建物が、素敵で立派だと感じました。

Q女性や未経験者でもできますか?入塾を考えている方に一言!
男だから女だからと感じたことはないです。モノづくりが好きなことと、やる気次第!

Q目標やチャレンジしたいことを教えてください。
同じものをずっと作るより、色々なモノを手広く作っていきたい。細かい作業とロクロを組み合わせたモノづくりをしたいと思っています。うまくいかなくて、もやもやすることもありますが、作っていて楽しいと思うものを大切にしていきたいです。

半年が経ち、基本デザインの製作ができるようになった

Qなんで養成塾に入ろうと思ったんですか?
一生できる仕事を探していて、職人になりたいと思っていました。以前からオケクラフトを使っていたし、養成塾の制度に興味を持っていて、見学も何回かして「これだ!」と思いました。

Q入塾して感じたことや、魅力はなんですか?
最初は座学中心でしたが、6月に入ると本格的に研修が始まります。1年目はオケクラフトを作るうえでの基本的な知識や技術を学び、2年目からは独立に向けて方向を定めて取り組んでいきます。一番の魅力は、現役の作り手の講師が側にいる環境ですね。何かあれば、すぐ教えてもらえるので安心だし、学校のような仕組みではなく、個々に合わせた対応がいいなと思いました。
ショップから工房の様子が見えるので、製作風景を見てもらうことができるし、反対に自分の作ったモノに対するお客さんの反応を見ることができます。
木材を引くことができる環境なので、製材から商品になるまで流れを見られますよ。

木材を削っていくバイト(刃物)も大切にしている

Q置戸町に家族で住みて、子育てしてみてどうですか?
四季がはっきりしていて緑が多く、水や空気が美味しいと感じました。
お祭りが多いし、中央公民館のあそびーばに行けば子供達が遊んでいる。夏場は噴水で涼んだり、冬はスキー場で滑って遊んでいます。地方に住む前提なら悪くない、普通の田舎だと思います。

Q後半年で卒塾を迎えますが、目標やチャレンジしたいことを教えてください。
研修期間中に試作を沢山したいと思っていて、今はカップに取り組んでいます。独立したら、日々の生産に追われて、試作の時間を取ることが難しくなると思うので、いろんな引き出しを作っておきたいです。売れるものを作ることも必要だけれど、作っている楽しみも大切にしていきたいと思っています。

Q入塾を考えている方に一言お願いします!
この仕事は、好きかどうか。モノづくりが好きな人は、楽しくて仕方ないと思います。自分の思っていたモノが形になって、商品になって売れていく。私は、それがたまらなく嬉しいと思っています。以前雑貨屋さんの店長を経験していますが、商売をしていて、仕入れて売れていく楽しさもあるけど、自分が作ったモノが評価されのはやっぱり違うなと感じています。
自分が「こうなりたい!」とビジョンを持って取り組むことが大切です。

マツと広葉樹を貼り合わせて作ったラインの作品たち

Qなんで養成塾に入ろうと思ったんですか?
移住にあたって、妻の仕事がオケクラフトの作り手だったので、どうせなら協力してやっていきたいと思い、仕事として作り手を選びました。知識ゼロで、全く知らないところから始まり、得意な方ではなかったです。

Q置戸町に家族で住みて、子育てしてみてどうですか?
不便なく、暮らせています。買い物もスーパーがあるし、少し車で走れば大きな市もあります。イベントがたくさんあり、子育ての環境はとても良く、暮らすのにちょうどいいです。

刃物で仕上げた作品を塗装する様子

Q入塾して感じたことや、魅力はなんですか?
やはり職人仕事は難しいと感じました。経験がものを言う、ゴールが見えない仕事だと思います。
沢山経験するには数をこなすことが大切だと思っています。なので、自由に削れる環境が嬉しいです。実技研修をしていてもそばに講師がいて、やってみてわからないことを、聞いて解決できるのが良いです。

Q後半年で卒塾を迎えますが、目標やチャレンジしたいことを教えてください。
残り半年は、独立後の生産ペースを見越して、月に150~200個作れるようにシュミレーションしながら研修しています。いつも温度や湿度など、作る場の環境が違うので、ここでできないと独立してからもできないと思っています。失敗やトラブルは経験なので、今のうちに色々チャレンジしていきたいです。

Q入塾を考えている方にアドバイス!
収入が研修中ないので、蓄えが必要です。でも本当にやりたい人には向いている場所だと思います。

マツ使い、手に合う形を思って作っている

※塾生や作り手として活躍している先輩へのインタビューはこちら!

◆オケクラフトは身近なモノ

「オケクラフトは、町内の保育施設や小中高校で『給食器』として使われているだよね。」
「そうなの。他にも沢山の場所や機会で使われているんだよ。」
・その年に生まれた町内在住のお子さんに地域からの贈り物として特別セットを贈る『すくすくギフト』
・町内の保育施設や小中高校で『給食器』としての利用
・家庭ではお客様の『おもてなし』や『贈り物』

◆まとめ

「 『作り手養成塾』、どうだったかな?」
「オケクラフトのこと、作り手の仕事に興味を持ってもらえると嬉しいな!」
「例年、夏から秋にかけて塾生募集をしているので、興味を持ってくれた方は気軽に問い合わせてみてね!」
「待ってるよ!」
「それでは今回はこれで終わります!ばいばんば!」

※このストーリーは一部フィクションです。
◇早速問い合わせてみる
電 話:0157-52-3170 (8:30~17:15)
見 学:平日8:40~17:15  ※外で研修の場合もありますので、事前にお問い合わせください


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このページの情報に関するお問い合わせ先
オケクラフトセンター森林工芸館TEL:0157-52-3170FAX:0157-52-3388